身にまとうタイトルや役割のチカラ
このブログの自己紹介文は曖昧に書いた。普段のプライベートと仕事用の自己紹介文は使わず、どんな世界が広がるか見てみたかったから。
そうすると不思議なことが起きた。
「・・・・はて、自分は何だ?」
「誰」を超えて「何」というレベルだ。
そんなわからない時、思考が「ほいきた!出番ですねっ!」と発動する。
- どういうキャラ設定にする?
- 何を含めて、何を省く?
- どんな印象を残したい?
- どの自分を使って書くか?
「どの自分」なんて移り変わりの多い中で、さっぱりよくわからない。一喜一憂なんていい言葉があるくらい、人って変わるもんね。
迷うなー。
そう考えると、仕事やプライベートで身にまとう社会的役割や、名称を含めた定型文の自己紹介ってのはなかなか便利。
サラッと伝えられるし、自分も相手もそこまで深く考えこまなくていいし、同じ立場の人ならお互いの役割の共通理解や共通言語になってくれる。
ぐっと近さを出す場合もあるし、少し距離をおいたままキープの場合もある。「私はこちら、あなたはあちら」、みたいな?
自分は、名乗るからにはそれなりの証拠、実績、経験が必要!と思う傾向がある。多少なりとも揃っていても、まだ足りぬ!精神が出てくる。そんなお仲間けっこういるんじゃないかな。
小さい子たちの集団に「絵が描ける人?」と聞くと、かなりの確率で手を挙げる。次々と、「こんなの描けるんだよ!」「できたよ~!」、と見せてくれる。
大人の集団に同じ質問をすると、手を挙げる人がほとんどいない。ニコちゃんマークだって、へのへのもへじだって絵のお仲間だけど、「絵が描ける人=画家やそれなりに実績のある人」と思いがちになっちゃう。
あの、子どもの「できたあー!」、ってもうそれだけで尊いはずなのに、いつからか名乗るほどではございません、と謙遜して、もっと腕を磨くべし!みたいになっちゃうんだ。
もしこんなゲームあったら・・・
1.普段使っている自己紹介を使わず、社会的役割とか自分のアイデンティティ等を一旦横に置いておいて、制限時間2分以内に自己紹介してください。
2.もしできなかったら、今あなたが座っているこの椅子の足が一本取れてスっ転びます。
あなたなら何を語る?
ここまで読んでくれたそこのあなた、ちょっとここで読むのをやめて、携帯でもパソコンのタイマー2分セットして、やってみるのはいかが?
.
.
.
何を語った?それとも椅子の足取れてスッ転んだ?(イメージよ、イメージ)
スキップして、ここまで読み進めたあなた、それでも全然OK。
自分は、何でもいいから口走ってその場を取り繕う。それで後から「あれじゃなくてこれ言えば良かった、ああ言えば良かったじゃん・・」とあーだこーだ考えて悶々とするかも。いきなりは難しい。
ブログの自己紹介を考える時は、スッ転んでしばらく床から天井を見上げていた。正確に言うと、ただ寝っ転がっていただけ。でも、そうしたらちょっと見えてきた。
Writer.
書く人。
書く人になりたいです。じゃなくて、「書く人です。」
すっごい違和感。書く人っていうのは、きちんとした教育とトレーニングが必要云々・・・とか頭の中がざわつき始める。しかも、書くことを生業にしている人に失礼なんじゃ、なんて考え出す。
でもね「できたぁ、書けたよ~!」って、絶対小さい頃の自分だったら超自慢げに言ってる。
子ども心は、ここにあってほしい。
身にまとうタイトルや役割もいいけど、なしってのもおもしろそう。