“Thinking of You” ただそれだけ
高校を卒業して渡米、大学→大学院→就職と、計11年半アメリカに住んでいたことがある。
最初の2年はユタ州、大学3年でミシガン州の大学に編入、インディアナ州の大学院に行き、最終的にマサチューセッツ州に引越し働いて帰国した。
院での友人の一人に韓国人の留学生がいる。
彼女とは研修先が一時期重なったので、共に励まし合い、時にはなぐさめ合い、他の友人たちとお互いの家を行き来して一緒にご飯を食べるなど、楽しい時間を過ごした。
卒業後はそれぞれ違う州に引越し、それ以来Facebookでイイねを押したりコメントをする程度の仲になった。
お互い全くもって投稿しないので、やり取りがほぼ無かったと言ってもいいくらい。彼女は今もアメリカに残っている。
今年の夏、韓国に一時帰国してアメリカに戻る前に数日、日本に滞在すると連絡があり会うことになった。
19年ぶりの再会。この数字を改めて見てみると、時の流れの速さにぎょっとする。19年も経ったのかぁ・・・。
でも、会った瞬間に19はただの数字で、それ以上でもそれ以下でもないことを知る。
一瞬にしてあの頃の感覚がよみがえり、話がはずむ。
こんな友人に出会えていたこと、そして今この瞬間にあの頃のように目の前で生で話をしていること、不思議な幸福感に包まれる。
それから、お互い何だろうか、あんまり変わっていない。
今度はアメリカで再会しよう!と盛り上がったものの、すんごい口約束しちゃった感満載だ。
この円安でその「今度」は来るのか、不明である。彼女がまた日本に来る方が現実的なんじゃとか思っている自分もいる。
そんな嬉しい再会からしばらくして、めちゃくちゃ好みのピアスと、優しい彼女の人柄が溢れまくった手書きのメッセージが書かれた、色合いもデザインも最高にステキなポストカードが届いた。
惚れ惚れするポストカードの表の印字に目が留まる。
Thinking of You
<あなたのことを想っています・考えています>
しばらくながめる。このフレーズは巷にあふれているし、自分でもたまに使っている。
でも、今回このポストカードの色合いと言葉は、涼し気でありつつも重みに変わり響いてくる。

Thinking of You
ただそれだけ。
この言葉の重みを胸の中に留めておきたい。
心の中で唱えるだけでなくて、何かアクションをする、今できることをするというのもいいと思うし、やれるのであれば、やった方が絶対いいと思う。
伝えたいことがあるのなら、そしてまだ伝えられるのなら、ガンガン伝えるといいと思う。
でも、もうどうしようもないことだって多々ある。そんな時、このフレーズを心の中でつぶやく。
I am thinking of you.
直接伝えることはかなわないけれど、あなたのことを想っています。
これまでも何度かお世話になった、額縁屋さんに持っていて、ポストカードに合うフレームを見立ててもらった。
ステキさ何十倍になると思うと、ワクワクが止まらない。
完成して壁に飾ったら、写真に撮って友人に送る日を今からワクワク楽しみにしている。